「ちょ……みんな」

助けを求めるように直人を見ると、直人はこちらに親指をたてて微笑んでいた。

「な……直人まで」

「イェーイ」

教室の外では土屋と電話中のヒノケンがハイタッチしていた。

「あ、板垣?あのさぁ…今度合コンやるけど来ない?一人、空きできてさ」


「り……りょう」

キノはりょうの肩をつかんだ。

「ひよ……」

「んー……」

キノはりょうに唇を差し出していた。

「キ……キモイ!!」

バキッ

キノを殴り倒して教室の外へ向かって歩いた。

「ちょ…?!りょう!!」

思わず追いかけると、りょうに首をつかまれいきなりキスをされた。

「!?」

とっさだったので、少し唇からズレた変なキスになったけれど。

「言っておくけど、浮気したら……あそこの黒板にあんたの頭打ちつけるからね」

「……………」

「返事!!」

りょうはキノに言い聞かせるように、床をダンと踏み込んだ。

「はぃ……」

「ふんっ」

そう吐き捨て、ピシャリとドアを閉めた。

「………………」

一同は唖然としていた。

「イェーイ!やったじゃん!!」

聖也が後ろからキノに抱きついた。

「お、おぅ……」