「その言い方もあの言い方もないって、冷めたってことだろ。キノは」

直人の言葉で、りょうは下を向いた。

「…………」

「キノ、お前からも言ってやれよ、りょうなんか好きじゃないって」

「え……………」

直人はキノに呼びかけたが、キノは戸惑っていた。

「……そう、なの?」

りょうは涙声になっている。

ずっとないがしろにされていた工学の教師が勇気をもって開口した。

「ひ、広瀬…もう…」

「うるせー!ブルセラ通い!!」

が、すぐに趣味を暴露されて黙ってしまった。

周りの生徒は「え、マジ?」「前から噂ではあったけど…」と詰め寄った。

「りょう……」

りょうの涙にキノはテンパっていた。

「りょうは……キノの言葉が聞きたい」

「……………」

「直人でも、ブルセラでも…土屋でもない」


キノは心を決めて口を開いた。

「やだ!!」

しかし、またりょうにビンタされた。

「な………?!」

「聞きたくない!!」


「日和が……もう…………りょう好きじゃないなんて」

りょうは涙でぐしゃぐしゃの顔でキノを見つめた。

「…………りょう」