『どうしたの?様子おかしいけど。何かあった?』

『へ?何で直人?』

(やっぱ……風間くんと何かあったんじゃ)

「な……何かあったの?」

「……………」

「……風間くん、と」

聞きたいような、聞きたくないような複雑な気持ちだった。

「……うん。岬、いるじゃん。伊澄ちゃんが、レストランで会った奴」

やっとポツポツ話し出した。

「うん」

覚えてる。あの可愛い子だ。

「……体調悪くなった奴って、あいつの事だったんだ」

「?」

(それって……どうゆう)

「あいつら、二人で会ってて……たまたま見ちゃって……」

あの二人の、キスしている場面が脳裏に蘇った。

「二人で会ってたの?」

「うん。しかも多分、あの様子だと何度も会ってるんじゃねーかな」

「つき合ってるってこと?」

(あ…でも、あの子は妊娠してるんだっけ……)

「わからない。とりあえず俺はあの時聖也がすごい荒れてたから番号教えたけど……失敗だったかも」