「…………」

無言でひらくとメールを受信していた。

「聖也……」

「あ、聖也?」

他の4人には、岬とのことは話していない。

聖也とは駅で会ったが、聖也の友人が体調を崩したから家まで送ると言っていて、来るかどうかはわからない、と伝えてあった。

隠し事は好きではないが、ここで聖也と岬の関係を暴露して混乱させたら、せっかく来てくれた伊澄に申し訳ない気がしたからだ。

『彩香、無事に家についたよ』

『了解。お前、これから来る?』

『いや、やめとく』

(………俺から逃げてもしょーがねーだろ)

ため息をついてメールを打ち返した。

『わかった。明後日、学校でな』


イライラする。

ものすごく……。

「……聖也、来れないって」

「えっ、マジで?!」

「うん、マジで……」

土屋のテンションに比べ、直人はローテンションだった。

「そーいやケータイ見て思い出したけど、直人って伊澄ちゃんの番号しってる??」

「いや……」

「じゃーここで交換しちゃえば?俺らだって知ってるんだしさ」

(……ヒノケン、切り込み下手すぎ)

キノは内心ため息をついた。