「……広瀬?」

「……………っ」

りょうは窓から自分のケータイを投げ捨てた。

「ちょっ……!何してんだよ」

思わずキノは声を張り上げた。

「てめー、ムカつくんだよ!!最初はイイ奴かと思ったけど……人をケータイがないと何もない人間みたいに言いやがって…バカにすんな」

「ケータイがないとダメって言ってたの自分だろ?!」

それをこんな簡単に捨ててしまうりょうの行動は、かなり不可解だ。

「うるせー!!死ね、テメーなんか!!!」

りょうはそう吐き捨てて、キノのもとを去っていった。

~~~~~~~~

「あの時だな……りょうを好きになったの」

「いや、あの…わかんないんだけど」

思い出にひたってうっとりした様子のキノに、ヒノケンは理解に苦しんだ。

「あの後……ケータイなくしてどうすんだと思ったけど、やっぱり落ち着かないみたいで……すごいわかりやすくソワソワしてて小椋に注意されてた(笑)」

「ま…あいつ落ち着きないけど」