｢え？！やっぱ、そうなの？？｣

キノのリアクションは意外だった。


｢……やっぱって…気づいてたの？！お前｣

思わず振り向いてしまった。

｢前……聖也が、伊澄ちゃんは直人がいいんじゃないかって言ってた。俺は、ないだろって思ったけど｣

｢聖也が…？｣

｢うん……あの時は笑い話だったけど、本気なの？｣

つぶらな瞳で見つめられると、ヒノケンは返答に困る。

｢たぶん。だって伊澄ちゃん、遊びとかで恋愛する感じじゃないし｣

確かに、伊澄は年の割に純粋で、とくに恋愛面ではその色がぶっとく出ているように伺えた。

｢うん……てか直人は知らないんだよね？｣

｢うーん……直接聞いてないけど、あいつ鋭いし、伊澄ちゃんはあんなだし。バレるのも時間の問題じゃね？｣

｢で、ヒノケンはあの二人をくっつけたいんだ？｣

キノの頬はニヤニヤしていた。

｢んー…まぁ、さっきも言ったけど伊澄ちゃんには世話になってるしさ｣

(ちぃの事でも……)

｢ヒノケンさ、あのマネージャーの子とはどうしたの？｣