「「え?」」

「いつも保健室お邪魔してるしさ、お世話になってるから…その礼に俺らがうまいメシでもおごるよ!!」

(とっさに思いついたにしては……名案かも)

心の中で自分の提案を自画自賛した。

「ああ……それなら」

キノの感触も悪くない。

「どう?伊澄ちゃん」

「いや…生徒におごってもらうのは……」

喜ぶかと思いきや、少し渋い顔をしていた。

(素直に喜べばいいのにー……)

「まー伊澄ちゃんが気にするなら割り勘でもいーけど。俺らでおもてなしさしてよ。直人とか…土屋と聖也もよんでさ」

「んー……」

(行きたいけど……いいのかな)

「数人だったらいいんじゃない?生徒と教師が二人きりで会ったら大問題だけど…」

「キノ!」

ヒノケンは軽くキノを睨んだ。

「…………?」

キノとしては伊澄が行きやすくなるように助け舟を出したつもりなのに、何故か追い返されてしまい、意味がわからなかった。

「まぁ、俺は二人で会ってもいいと思うけど…どーせだからワイワイしよーよ」