「まー無理でしょ…」

土屋は他人事のように欠伸をした。

「お前がまいた種だろ~」

「どういうこと?」

伊澄は身を乗り出して聞いた。

「何か、説明すると長くなるけど……てか伊澄ちゃん、やけに食いつくね?」

「いや…」

「もしや、直人が……好きっ?」

ヒノケンがおどけて聞くと、伊澄は顔を真っ赤にした。


………………


「えっ…まじ?」

「ち…ちがう」

否定しているのに、顔は有り得ないくらい真っ赤になっていた。

「………………」

3人は、とても微妙な空気に包まれた。

「伊澄ちゃん!土屋ー、いる?」

キノの声に3人は微妙な表情で振り返った。

「ど……どうしたの。」

「いや…何でも、ないけど」

土屋とヒノケンは気まずそうに顔を伏せた。

「……あ、土屋。担任が呼んでたよ…」

「え、俺?」

「そう、俺(笑)」

土屋は面倒くさいといった表情で保健室から出ていった。

「ね、キノあいつ彼女と別れたって」