「伊澄ちゃん!!」

「わっ……わぁ」

保健室のドアをガラッと開けると同時に、土屋は大声をあげた。

「な……なになに」

「別れたー!!」

両手を天井にかざして叫ぶ土屋を見て、伊澄は目を丸くした。

「はっ?」

「だから、彼女と!!」

「な、なんで??」

突然知らされた事実に、伊澄は目を丸くした。

「何か……お互いツラくなって……彼女は"どうしたらいいか、わからない"って泣き出すし」

「それで……別れちゃったの?」

「うん……」

そのまま土屋ははぁ~っとうなだれてしまった。

「……後悔、してる?」

「わかんない。今は……いろんな感情がごっちゃになってて。あいつのこと、好きなのかどうかすら…」

「……痛い?」

伊澄は土屋の胸元を差した。

「………痛い」

(私も……最近、痛いんだよな)

ある人のことを考えると、どうしても痛んでしまい、そのまま泣きたい気分になる。

先日も、実はもっと二人で話していたかった。