二人の間に沈黙が流れた。

「……………」

岬は黙ったままだ。

いろいろ話したいことがあった気がするのに、いざとなると何も出てこなかった。

(まぁ…番号交換できたしな)

連絡しようと思えば、いくらでもできる。

「じゃあ、そんだけ」

聖也は岬に背を向けた。

「あっ」

「………ん」

何か思いついたような岬の声に、聖也は振り返った。


「……お茶、する」

「え……」

「……折角、だし」

語尾に?がついていないので、誘っているのか……岬の今後の予定なのかよくわからなかった。

「え……俺も……?て事?」

「うん」

岬はこくんと頷いた。

焦点が合わない目で見つめてくる岬が、なんだか小さい子みたいで、妙に可愛らしかった。

「い、いーけど……」

二人はテキトーにその辺の喫茶店に入ることにした。


しかし……


「……………」

「……………」