「直人!おはよ」

「…はよ」

キノの挨拶に、直人はテンション低く答えた。

「どうした?眠い?」

「それもあるけど…何か肩痛い」

「肩?なんで?」

キノは首を傾げた。

「昨日、兄貴の引っ越し手伝ってたんだよ。そのせいかも」

「お兄さん、引っ越しすんの?」

「おう。結婚するから…まぁ近所だけどな」


直人は相変わらず肩をだるそうに回している。

「大丈夫?」

「湿布貼ろうと思ったら家になくてさ…」

「保健室でもらったら?言ったらくれるよ」



キノのススメで、直人は保健室へ向かった。

「湿布ある?」

「水澤くん?!」

しかし、中にいたのは伊澄でなく…ちぃだった。

「伊澄ちゃんは?」

「あ…職員室」

「ふーん」

すぐ戻るだろうと思い、直人はイスにかけて伊澄を待つことにした。


この間の件で気まずそうに顔を伏せるちぃとは対照的に、直人は堂々としていた。




「あの……水澤くん」

「ん?」

「ごめんなさいっ」