「本人に…悪気はないんだから」

ヒノケンの言葉に、西田は持っていたバレーボールをヒノケンに投げつけた。

「………って?!」

急な出来事に、ヒノケンはお腹を抱えてうずくまった。

「悪気がなかったら何してもいいのかよ?!お前みたいな偽善者がいるから、あーゆー奴が増長すんだよ!!」

「………………」

「あいつが記録用紙なくしたせいで、測り直すってトラック8周させられたり……合宿の遅刻の連帯責任で全員でトイレ掃除した事もあったよな。あいつは反省なんかしてねーんだよ、反省してたら…んなミスばっかしねーだろ?!」

西田は声を荒くして言った。

「…………!」

「…………お前が甘やかすから」

「……俺は自分のしたいようにしてるだけで」

ヒノケンは西田を見上げた。

「それが迷惑なんだって。お前だって前言ってたじゃん、俺があいつとヤッたらって言ってたら…気色悪いって」

「…………!」

西田はボールを置いて立ち去ってしまった。