「てか、上手くいってんの?こないだ飲み会がどーとか言ってたけど……」

「それは解決したけど………」

土屋は俯いた。

「ど?」

「またケン……」

「またかよウゼー!!」

"カした"を言う前に、ヒノケンは冗談半分に怒って壁を蹴った。

「なんだよ、毎回毎回ケンカしてるみたいな言い方して」

「毎回毎回ケンカしてんだろーが!しかもケンカするたび別れるだの合コンだの騒いでさ!結局、今回もヨリ戻すんだろ~」

「違うて、今度こそ別れるって」

他の3人からもなじるような目で見られた土屋はムキになった。

「はいはい」

直人はテキトーに返事をした。

「狼少年みたいだよ(笑)」

「キノまでそんな事言うなって」

「あ、そろそろ1限終わるから行こうぜ」

聖也は土屋を無視して3人に言った。

「そーだな」

4人は土屋を無視したまま、校舎に向かって歩き出した。

「~~~っ!もー絶対!別れるからな~」

土屋の叫びは虚しく校舎裏に響いていた。