聖也は直人とヒノケンを見た。

「クラスの奴に聞いたけど……なんか、大変だったみたいだな」

どうやら黒板のラクガキも、ヒノケンの介抱のことも知っているようだ。

「てか……5人そろうの、久しぶりじゃない?!」

土屋は嬉しそうにはしゃいだ。

「そーだよ。心配かけやがって」

直人は聖也の肩を軽く殴った。

「わるいわるい」

「聖也、お前………岬ちゃんとは」

「会ったよ」

ヒノケンは言いづらそうに聞いたが、聖也はあっさり答えた。

「いろいろ話して…まぁあの頃お互い誤解してたトコもあって……スッキリできた」

「よかったじゃん」

キノは聖也に微笑みかけた。

「またまた~コイツ、カワイイな」

つられて笑顔になった聖也はキノに抱きついた。

「苦しいって」

「次はお前だな。りょう、彼氏と別れたらしいから……狙い目だぞ♪」

「えっ?」

聖也はウインクして見せたが、キノは知らなかったのか驚いていた。

「なんだよ、知らねーの?あいつフラれたって」

「知らない…それいつ頃?」