｢………やだ｣

ちぃは靴のまま階段を駆け上がり、教室に入り、黒板を見て愕然とした。


｢妄想して漫画書いちゃうくらいだからさー、夜になると…水澤とのＨ想像してさ…｣

容赦なく浴びせられる下品な言葉。


｢私…そんなんじゃ…｣

その男子につかみかかろうとしたが、"触るなよ"と振り払われた。

その衝撃でちぃは床に倒れこんだ。

｢あ………？！｣


なんだか、呼吸…しにくい。

体に力が入らない…。

視界がかすむ。


｢はっ…はっ…｣

｢ちょ、なにこいつ？｣

いきなり後ろのドアが開き、黒板を見たヒノケンが怒鳴りこんできた。

｢何してんだよ！おめーら！！｣

ちぃより少し後に登校してきたヒノケンはちぃのクラスの様子がおかしいと思い、駆け込んできた。

｢いや、てか…こいつ…様子が…｣

ヒノケンの怒りに少したじろぎながら、クラスメートたちは床に倒れたちぃを指差した。

｢ちぃ……？｣