しかし、初音はいくら資料を見ても集中する事が出来ずにいた。


(何回言っても隠す龍也が悪いのよ…っ)



今までだって怪我した事を隠さないで、って言ってたのに龍也はやめなかった―…。








あっそういえば…。
今日生徒会の仕事が終わるまで待ってて、って頼んでたんだっけ…。

……でも、ケンカしちゃったから意味なくなったわね。






生徒会の仕事が終わったのは8時前ことで、昼の寒さとは比べ物にならない寒さになっていた。

コートをはおり、生徒会室の鍵を閉めて帰ろうとした初音の目に写ったのは…