「ほい、四百円な。卒業制作って一般でも見れるんだったか?」

「見れるよ。卒業式の後、しばらく美術館に飾らせてくれるんだって。葉兄ちゃん、見に来てくれるの?」

「おう。だから手ェ抜くなよ」

「わかった、頑張る」


にこにこと笑いあって、手を振って、男の子たちは元気よく帰っていった。

なんていうか、素直な子たちだなあ。

あんな風に大人の言葉を真っ直ぐに受け止められるのって、すごくうらやましい。


あたしなんて、もう反発ばっかりだもんね。まともに会話が成り立つのって友達くらいじゃない?

なんでだろ、昔はそんなことなかったはずなんだけど。

いつの間にか素直になれなくなっちゃったなあ……。