「人を見かけで判断しちゃいけませんって、子供の頃に言われなかった?」

「それを言ったら、お前だって同じだろうが。女たぶらかしてそう、とか完璧にそうじゃねえの?」


あ、『君』が『お前』になってる。

ついでに口調も荒い。ホント短気よね、この人。


そう思ってようやく隣に目を向ければ、レジに立つ里村葉の後ろにラッピングの山が。

レジカウンターの内側に置かれたダンボールに、たぶんチョコなのだろう可愛い包みがどーんと積みあがってる。

そしてその一番上には、さっき渡されたばかりの亜紀のもの。


まさか全部お客さんからですか。