「じゃあ、そこで待ってて。あ、里村さんに迷惑かけないようにね」

「わたしも向こうの雑貨見てくるから、メイは今のうちにちゃんと話し合ったら?」

「そうそう、素直が一番だよぉ。あ、晴香。向こうにアクセサリーもある~」

「ちょ、ちょっと……」


あたしの言い分はスルーなわけ?

っていうか、みんなして里村葉の味方じゃない!


楽しそうに店内へと散っていく三人を恨めしく見つめてたら、隣で里村葉がくすくすと小さく笑った。


「いいオトモダチだな、メイちゃん」

「……馴れ馴れしく呼ばないで」


さっきのやり取りで名前知られちゃったし。

まあ、別にいいんだけど。あたしだけが一方的に知ってるのもおかしいしね。


……なんて、ちょっと意識しすぎだよ、あたし。

別に普通にしてればいいのにさ。だけど何でだろ、どうしてもこの人の前だと緊張しちゃう。