……う、周囲の視線が痛い。

特にさっきこの人のそばにいた子たちとか。いわゆる嫉妬ってヤツ?


あたしとこの人は無関係ですよー。ていうかむしろ苦手ですよー。


って、声を大にして言いたい。勝手にライバル視されても困るっての。

なのに針のムシロ的なあたしの状況に気付かない男は、レジの中に置かれた椅子へとあたしを座らせて顔をのぞきこんできた。


「じゃ、ここで待ってろ、今、お茶を……」

「だからお茶はいいってば。あんたに用があるのは、あたしじゃなくて……亜紀、ほら」


最後の呼びかけは今日の主役に。

あたしたちの後ろを追ってきていた亜紀は、あたしが呼んだ途端にぱっと頬を赤く染めた。

しかもつられるように顔を上げた里村葉にまで見つめられたもんだから、亜紀は頬だけでなく耳にまで血を上らせて硬直してしまった。