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サンクチュアリ――絶対に縁のないところだと思ってた。

里村葉――もう二度と会うことはないと思ってた。


ようやく智彦のことを思い出さなくなって、最近のあたしはとても平和な日々を送ってる。

だからもうあいつとのことを蒸し返したりしたくないわけ。

このまま何事もなかったかのように過ごして、また新しいな恋を見つけたりしたいわけ。


そうなると里村葉とのことも、このまま記憶の奥底に封印しておきたいんです。あたしとしては!


なのにどうしてあたしは今、問題のサンクチュアリの前に立ってるんでしょうか?


「へ~、こんな所にこんな可愛い店があるなんて知らなかったなぁ」

「あまりこっちの方には来ないしね。だいたい駅前で済ませちゃうから」


あたしの両脇で知世と晴香が感心したように目の前のお店を見上げてる。