だって今日の女の子たちは、みんなどこかキラキラしてて可愛い。


晴香はつき合いの長い彼氏だから落ち着いてるけど、それでも今日はメイクを変えたりしていつもと違う雰囲気をまとってる。


知世はバレンタインを口実にもっと近づきたいみたい。いろんな人とつき合うわりに結構一途なんだ。


亜紀は片思いの相手だから一生懸命好みを調べたりしてた。甘いものが好きだって知って、だから苦手な料理を頑張ってみたんだよね。


そういうの、いいなって思う。

いつもとは違う特別な日。いつもよりも少しだけ勇気が出せる日。

みんながキラキラしているのは、自分の想いにとてもひたむきだから。


ああ、あたしもこんな恋がしたいなあ。


そんなことを思って一人ため息をついたあたしに、ようやく笑いを引っ込めた亜紀が話し掛けてきた。