「いいじゃん。料理が下手な者同士、あたしたちはプロの味で勝負しよ」

「ワタシの味方はアナタだけだわ、知世さんっ!」

「亜紀さんっ!」


そんなことを言い合いながら手を取り合う二人。なに、この寸劇。お嬢様ごっこ?


まあ確かに知世は最初から普通のチョコアソートを買ってたけどね。

この間の合コンでゲットした彼氏にあげるんだって。


「それにあたしたちは渡す相手がいるだけマシなのよ、亜紀さん」

「そうね、約一名さびしい人がいらっしゃるものね」

「……それはアタクシのことでございますか」


なんか矛先があたしの方に向いてるんですけど。しかも変な口調までうつってるし。

こっちを見てにこにこしてる二人の視線が怖い。

もしかしなくても次はあたしをネタに遊ぶ魂胆ですか。