でもその時、ふいに横合いから別の声があたしたちの間に割り込んできた。
「あのさ、こんな所で喧嘩はやめた方がいいと思うよ。君たちの声、信号の向こう側まで響いてたし、ついでに思いっきり周りの注目を集めてるからね」
はっとして、あたしたちは周りを見渡した。途端に通りすがりの人や信号待ちの人が慌てたように視線を逸らす。
は、恥ずかしい……。
急に顔が熱くなってきて、あたしは冷たい指先で頬を押さえた。
そして窺うように正面の男を見ると、彼は不機嫌そうな表情でそっぽを向いていた。子供かっての。
でもその隣は、いつの間にか見知らぬ男の人が立っていた。
「まったく……いきなり飛び出していくと思ったら、高校生と喧嘩なんてやめてくれよ」
「いや、別に喧嘩しに来たわけじゃ……」
「結果としてはそうなってるだろ。ほら、上着と荷物も置いたまんまだったし……あーもー、何で休日までお前の世話しなくちゃならないんだ」
どうやらこの美形、どこかの店であたしを見つけて、そのまま何も持たず飛び出してきたらしい。
「あのさ、こんな所で喧嘩はやめた方がいいと思うよ。君たちの声、信号の向こう側まで響いてたし、ついでに思いっきり周りの注目を集めてるからね」
はっとして、あたしたちは周りを見渡した。途端に通りすがりの人や信号待ちの人が慌てたように視線を逸らす。
は、恥ずかしい……。
急に顔が熱くなってきて、あたしは冷たい指先で頬を押さえた。
そして窺うように正面の男を見ると、彼は不機嫌そうな表情でそっぽを向いていた。子供かっての。
でもその隣は、いつの間にか見知らぬ男の人が立っていた。
「まったく……いきなり飛び出していくと思ったら、高校生と喧嘩なんてやめてくれよ」
「いや、別に喧嘩しに来たわけじゃ……」
「結果としてはそうなってるだろ。ほら、上着と荷物も置いたまんまだったし……あーもー、何で休日までお前の世話しなくちゃならないんだ」
どうやらこの美形、どこかの店であたしを見つけて、そのまま何も持たず飛び出してきたらしい。