「君! 君、ちょっと待って!」


横断歩道を渡りきった所で、ふいに後ろから肩を掴まれた。

な、なに!?

いきなりのことに驚いて身体がびくんって跳ねた。慌てて背後を振り返る。


そこにいたのは二十代半ばくらいの、かなり背の高い男の人だった。

女にしては規格外なあたしが、慣れない角度で見上げなくちゃいけないくらい。

でもそうやって相手の顔を確認したあたしは思わず言葉を失った。