「でも、それがメイなんだよねぇ」


ぐるぐるしているあたしに何を思ったのか、ふいに知世はそう言って笑った。

いつの間にかメイクも終わって、目の前には愛され系のカワイイ女の子。

知世はポーチに道具を片付けながら、何気ない様子で言葉を続けた。


「軽いフリしてるけど、基本マジメじゃん。何ていうの? 遊ぶための恋ができない感じ?」


う、痛いところ突かれた。

高校生になっていろいろ遊びだしたけど、中学までのあたしは本当に普通だったんだよね。

むしろおばあちゃん子で、みんなからババくさいって言われてたくらい。


だから高校に入学したら絶対変わろうって思ってたんだけど……。

人の本質ってそんなに簡単には変わんないのかなあ。