やっと死神サマの言いたいことがわかった。


「初めて会った頃のあたし、どんな風だったか忘れちゃったなあ……」


智彦が付き合おうと思ってくれた、四ヶ月前のあたし。

もっと自分の好きな物とか、友達のこととか、何でもないような普通の話をたくさんしてたような気がする。

今みたいに智彦の言うことを聞くばかりの、都合のいい女じゃなかったよね。


オシャレをするのは自由。

でも無理はしちゃいけなかった。


智彦に好かれたいと思ったのは間違いじゃない。

でも人の好みに合わせるんじゃなくて、自分をみがく努力をしなくちゃいけなかった。