あはは、なんて晴れやかな笑い声。自分でもびっくりするくらい。


あーもう、ずっと気を張ってた自分が馬鹿みたい。

里村葉に対してもそうだし、智彦に対してもそう。

よくよく振り返れば親とか周りの大人に対してもそうかも。


何もかもが苦手で、不安で、いつだって疑心暗鬼。

ほんのちょっと自分に合わないだけで、すぐに反発しちゃう。

良いところや、信じたっていいことが他にたくさんあるのに。


それに大人だってこんなもの。あたしたちとそんなに変わんない。

友達と馬鹿言って大騒ぎしたり、あたしみたいな女子高生に振り回されたり……なくしたものに寂しさを感じたり。


だから誰に対しても、もう少し力を抜いて向き合えばいいのかも。

この人たちみたいに、ささやかな欠点くらい笑い話にできるくらいの余裕を持ってさ。

その方がきっと、いろんなことが楽しい。