「ほら、メイちゃんがまた何か考え込んでるよ」

「え、ちょっ……違うからな! この二人が大げさに言ってるだけだから!」

「控えめに言ったところで結果は同じだと思うわよ」

「お前ら、話をまとめたいのかややこしくしたいのか、どっちなんだ!」

「「むしろ面白くしたい」」

「…………俺、何でこんなのと友達やってんだろ」


うなだれる里村葉と、にこにこしてるお友達二人。

するとそんな大人たちの横で、ずっとドーナツに夢中だった渚くんが三人を見渡して顔をひそめた。


「おともだちは仲良くしなきゃダメなんだよ」

「「「ごもっともです」」」


なんてわかりやすいパワーバランス。

この人たち、いい年していつもこんなことやってるのかな。

そう思ったら妙におかしくなってきて、あたしはこみ上げてくる笑いを止めることができなかった。