「その言い方だと俺の性格に問題があるみたいじゃないか」

「「ないと思ってるの?」」


あ、条件反射で言い返したら千夏さんとかぶっちゃった。

びっくりするくらいそろったユニゾンに、言われた本人の方はがっくりと首を落としてる。

ごめん、つい本音が……。


「あら、芽衣ちゃんとは気が合いそうね」


しかも千夏さんはにこにこして嬉しそうだし。

隣でチョコレートのドーナツを食べていた渚くんまで「ねー」なんて真似してる。まったく意味わかってないだろうけど可愛いからオッケー。


でも旦那である湊さんは苦笑して「いやいや」と苦笑した。


「葉は言葉が足りないんだよ。だから誤解を招くんだ」

「まあ、そうなんだけど」

「あと君たち、人の話をもう少しよく聞こうよ。葉にだって言い分はあるんだからさ」

「うっ……ごめんなさい」

「……すみません」


千夏さんにならってあたしも思わず頭を下げた。里村葉にじゃないよ、湊さんにだよ。ここ、あたし的に重要。

だって湊さんを前にすると、何だか自分が悪いことしたみたいに思えてくるんだもん。