…………。

ええと、あれ? この間見かけた女の人とは別人デスヨネ?


ちょちょちょちょっと、何股かけてんのコイツ。この間の美人はどうした!

百歩譲ってあの美人と別れたとしても、あんた奥さんいるんでしょうが。


……女の敵め。

あたしは思いっきり冷めた目で里村葉をにらんだ。


「オイコラ、最低男」

「は? いや、ちょっと待て。いきなりそれか? って、違う。この間から君、何か誤解してるだろう」

「問答無用。っていうか、言い訳はみっともないわよ」


すぱん、とぶった切るみたいに言い返すと、慌てた様子の里村葉はますます焦ったみたいに大きく首を振った。