慣れた仕草、慣れた感触。

あたしの身体が覚えてるそれ。


触れて、離れて、また触れて。

ゆっくりとうかがうように、熱いものが唇の形をなぞってくる。


内側の深い場所を求められてるんだって、あたしにはわかってた。


だけどちがう。

こんなのはちがう。


白くかすんだ頭の中に、そんな言葉が浮かんだ。

その瞬間、固まってた身体が自由を取り戻した。