でもね、智彦に対して腹は立ってたけど、嫌いになったわけじゃなかったから。

あたしが悪い部分も確かにあったんだって、ちゃんとわかってる。


だけどこれが本当に最後。

一度つけられた傷は簡単に消えないし、あたしはもう智彦を無条件に信じることができない。

だからあたしと智彦はもう友達にさえなれないんだ。


「最後のアドバイスってことで、ありがたく受け取っておきなさいよね」


ちょっと強気にそんなことを言ってみたりして。

恩着せがましいのも、わざと。これくらいの意趣返しなら許されるでしょ。