「この間、クラスの奴にむりやり委員会引っ張ってかれてさあ。その時に隣が加藤さんだったんだけど、近くで見たらありえねーくらい美人だったんだって!」


馬っ鹿じゃない。
いつも委員会なんてサボってるくせに、何でよりによってそんな時だけ連れてかれてるのよ。

大体いつも女子だって名字呼び捨てのくせに、なんで加藤さんだけ『さん』付けなわけ。

気取ってんじゃないわよ。


「しかも喋ってみたらスゲェ可愛いし。でもベタベタ甘えた感じじゃねえの。クールっていうか、落ち着いてるっていうか、なんか大人びてんの」


智彦、甘えられるの好きって言ってたよね?

大人ぶってる子より、素直に甘えてくれるほうが嬉しいって。


「飾る必要がない感じ? 流行とかそんなんどうでも良さそう。ああいう自然体な子っていいよな~」


オシャレな子が好きとも言ってたじゃない。

くるんってキレイに巻いた髪の子がいいっていうから、あたしちゃんと毎日セットしてたんだよ。

好みに合うようにって、一生懸命がんばったんだよ。飾ったんだよ。


智彦のために。