もうね、智彦と別れた時に嫌というほど実感したからね。

だって振られた翌日の朝にはすでに広まり始めてて、昼頃には智彦の周りに女の子たちが群がってたんだよ?

何、あの野次馬根性。噂好きのオバサンも真っ青だわ。


で、遠巻きに何か言いながら笑ってるのよ。

どうせ振られたあたしがみじめだって言いたいんだろうけど。

それでも表向きは同情してるような顔をするのよね。


だけど実際は上から目線で哀れんでるだけ。


知世たちだけは一緒に騒いで、盛大に毒吐いて、後はあたしが落ち着くまで放っておいてくれた。

だから今、こうしていられるんだよね。

智彦の噂話を聞いても、今のあたしはちっとも心が動かないもん。