「それにメイは向こうに何か嫌な物でもあるみたいだから、さっさとケーキ屋に避難しよう」


……、……心読まれてますか。

びっくりして思わず口をぽかんと開けてたら、こっちを振り返った深見先輩は小さく肩をすくめた。


「全部顔に出てるよ。それにさっき妙な男に遭遇したって言っていたから」

「まったくもってその通りでございます」


あたしは素直に事実を認めて頭を下げた。

うう、あたしの方が気を使われてどうすんの。


そんな情けない気分でため息をついたら、ぽんぽんとなぐさめるみたいに肩を叩かれた。