「あー、あたしもチョコ用意しておけば良かった……」


いつも元気をくれる死神サマに、感謝をこめて。

いまさら遅いんだけどさ、こういうのって気持ちじゃない?


思わず肩を落としたあたしに、死神サマはなだめるような仕草で頭を撫でてきた。


「それこそお歳暮じゃないんだから、気持ちだけありがたくもらっておくよ」

「それじゃ、あたしが納得いかないんですー。ああもう、うかつだったなあ」


まさか今日ここで会うとは思わなかったんだもん。

死神サマと会うには偶然に頼るか、北高まで行くかしかないのよね。

なにしろ死神サマ、携帯持ってないらしいから。