「もちろん嬉しいんだけどね。でもだからこそ、きちんと答えないといけないかな、と思って」


そういうところ、死神サマはしっかりしてる。

好意をなんでもかんでも受け取って、下手に気を持たせるようなことはしない。

一見すると冷たそうに見えるけど、本当はすごく優しいことなんだよね。


ホント、どこかの誰かさんとは正反対。


「…………あのバカ男に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ」

「? 何かあった?」

「ちょっとね、妙な男に遭遇したっていうか……まあ、もう会うこともないと思うけど」


ていうか、今回が予想外だったわけで。

意識して会おうとしない限り、もう関わることはないと思う。