そんなあたしの疑惑の眼差しに気づいたのか、里村葉ははっとしたように大きく首を振った。


「いや待て誤解だ。ちょっとご飯を食べに行こうって話になっただけで、別に浮気とかじゃ……」

「あたし、まだ何も言ってないんだけど」


あ、これ間違いなく黒だわ。うん。

慌てたように言い訳を始めた里村葉に、あたしは全力で冷たい視線を投げ掛けた。


しかもあたしに言ったってしょうがないし、そんなこと。

言い訳なら可哀想な奥さんにしなさいよね。