*遥斗*




ただ今、菜摘と逃げる途中。



あと1分で全校生徒が追いかけに来る。…菜摘だけでも捕まらないよぅにしなぃとな。




『遥斗−、どこ行くの??』


菜摘が俺に向かって上目遣いで、聞いてくる。



こいつ、危機感って言うものを感じなぃのかょ。




…って言ってる俺だけど、正直、今ャバイ。




上目遣いなんかしてくんじゃね−っての。バカ菜摘。



って口に出して言いたいけど、そんなこと言えねーっつの。




「…屋上行くか。」



『ぇ−、屋上?!見つかりゃすいじゃん!』



「俺だけが知ってる、秘密の場所がぁんだよ。」



『ホント−?!すごぃじゃん!…ってそれはサボってる証拠じゃない?』



うッ。バレたか………。



実は俺は、時々授業をサボっていた。それで菜摘に怒られたりもしている。




『図星でしょ?バカ遥斗』


「ぅっせ!!ぃぃんだよ」



『まったく、もぅ遥斗は…ぃつも………。』




まだ菜摘はボソボソ言っている。…ぃぃかげん、黙れょな。






…でも、可愛ぃからいっか。