目が覚めると夕方で、まだ寝足らなくて朦朧とする頭のまま煙草をくわえる。

隣の部屋から声がする。

お母さんがまた誰かに、あたしが出戻ったと電話で愚痴でも吐いているのだろう。

香月とあたしの結婚は、親戚からも友達からも批判だらけの中で無理矢理決めた事だった。

それが出戻ってきたのだから、笑い話だ。

でも、腹が立つ。

当事者は笑ってなんかいられないのに、人に言い触らしているのを聞くと本当に悩んでるのか?と聞きたくなる。