そんなオレを知ってか知らずか。
リョウはオレに歩み寄る。
相変わらず小さい。
で。
オレを見上げる。
「紹介するね。
今田夏日、去年のキャプテンで、今はM大学の一年生。
こちらが響悟流くん、T校のエースストライカー。
って、もちろんお互い知ってるだろうけど」
最後。
リョウはクスリと笑う。
そらそうやろ。
お互い雑誌に出るだけの実力の持ち主。
どっかの選抜とかで会ったかもわからん。
けど。
こんなふうに相対するのは初めてやと思う。
「リョウのいとこの今田夏日です。
これからも時々顔出すと思うから、よろしく」
さわやかに。
どっかにおるイケメン俳優よろしく右手を差し出す。
「響が入部してくれたら今年は全国だな」
今田夏日はまだ続ける。
上機嫌。
それは。
リョウが隣におるせいか?