「言っておくけど、同情じゃないぞ」


 カツリョウが言う。


「そんなんじゃない。

 あいつらは。

 ああやって。

 この二年間過ごしてきたんだ。

 そして最後の一年を過ごしていくんだ」


 なんとなくだけど。


 カツリョウの言わんとしていることがわかる気がする。

 それっていうんは。

 ほいって。

 昨日今日よそから来たオレにはわからんってこと。

 一緒に汗かいて泣いて笑って苦労して。

 毎日をそうして過ごしてきたからこそ、わかること。

 オレにはわからへん。

 そう簡単には、ようわからへん。

 理解するんは、簡単と違うねや。


「同情じゃなかったらなんやねん」


 オレが言う。

 カツリョウは答える。


「友情だろ?」


「愛情ちゃうのんか」


「それを堂々とさらせるのは今田夏日だけだ」


「やっぱデキてるんやんか」


「愛にもいろいろあるんだぜ、少年」


 カツリョウはそう言ってオレのブロウした髪をなでる。

 少年、にイントネーションを強く置くあたりが、めっちゃ不愉快や。