「オレ達はこのスタイルでうまくやってきたんだ。
今までずっと。
だから問題なんて何もないんだよ。
響も気にすることはない。
リョウはリョウが自分でこの道を選んでる。
だから、マネージャーとしての仕事はきちんとしてるし何を頼んでもいい。
ときどき練習相手にすると刺激があって勉強になるぞ」
「勉強になるぞって……」
「リョウはおまえの知ってる選手とは全然違うからな」
「違う？」
「女とぶつかったことないだろう？」
「そらないけど」
「リョウはぶつからない」
「ぶつからない？」
「身体が異様に柔らかい、その上足も速い」
「FW向きか？」
「ただ蹴る力が男子より劣るからな」
「それでMF？」
「いいボールあげるぞ」
「アシスター？」
「いいアシストするぞ、敵にしたら嫌なタイプだぞ。
懐まで入り込んで球あげるからな」
「うわ……」
「しかも性格が出て正確な場所にあげるときた」
「それほんまなん？」
