「リョウ!」


 カツリョウは突然でかい声を出す。

 そしてその呼びかけに振り返ったのはあの女子だった。


 リョウ?


 どっかで聞いたか?


「今田梨音、呼び名はリョウ。ちなみに同じクラス」


 カツリョウはそう紹介する。

 リョウって、そう、小柴が口にしたんだった。


「マネージャー兼補欠選手の今田です、リョウでいいです。

 みんなそう呼んでるから」


 見下ろす。

 ずいぶん背が低い。

 30センチ近く低いかもしれない。

 女子にしてはかなり低い部類。

 線が細い。

 おせじにもグラマーではない。

 抱くには物足りないタイプかな。


「響」


「あ?」


「あいさつくらいしろよ」


「あ、ああ」


 とは言うものの、何を言えばええっちゅうねん。