「おまえ」


 カツリョウはオレを見て言う。


「そういう発言してるとうちにいられなくなるぞ」


「なんやねん、それ」


「あれは特別」


「特別って、そらとくべつやろ?

 そんなんわかるわ。

 けど、違うやろ、特別言うたかてあれはなんやねん」


「だから言ったろ? 特別」


「特別やから?
 
 だからサッカー部に女子がおんのか。

 ほんでキーパーの相手してんのか。

 なんでやねん」


 ふっと、カツリョウは鼻で笑いやがった。


「決まってるだろう? 

 実力があるからだ」


「はぁ?」


「キーパーの練習相手になれるボールが蹴れるんだ」


「そんなんほかにいくらでもいてるやろ?」


「そいつらは自分の練習をしてるだろうが」


「へりくつか」


 ツッコミどころが多すぎる。

 もう訳わからんわ。