リョウの部屋で勉強する。

 それを決めたのはリョウ。

 なんでうちやったらあかんねん、そう聞いたらあいつ。

 参考書も辞書もそろっているから。

 そう優等生らしく笑った。

 ツッコみどころもなく、オレはうなずくしかなかった。




 というわけで、リョウの部屋のテーブルを挟んで勉強をする。

 広い部屋。

 うちのマンションのリビングくらいある部屋。

 結局リョウの親がどんな仕事をしてるか詳しくは聞いてへんけど、金持ちには違いなかった。

 それに負い目があるわけやないけど、オレはリョウをうちに誘うことができずにいた。

 一番の理由は。




 うちやったら即行押し倒す自信があるからや。




 さすがにリョウの部屋やったらそういう気もおきひん。

 それを見越しての提案とは思わないけど、いい案に違いなかった。




 リョウは優等生らしく黙ってじっと勉強を続けていた。

 かわってオレの集中力は持って10分。

 サッカーとエッチでは持久力が自慢なんやけどな。

 なんで勉強はあかんのやろ。