「嘘やろ」
オレは思わずつぶやく。
「ありえへん」
くくっと隣で笑う声がする。
視線を移すとそこにはカツリョウがいる。
一応顧問なんだっけ。
「不思議だろ?」
何が、とは言わないようだ。
「不思議も何も、なんやねんあれ」
「あれ、ねぇ」
「ありえへんって、何なんあれ」
「腑に落ちないか?」
「腑に落ちるもなにもないやろ?
何で女やねん」
「お、おまえ男尊女卑か?」
「そういう問題と違うやろ」
段々と腹が立ってきていた。
カツリョウはオレを試してんのか?
「なんで女が練習相手してんねん」
ガツンと言ってやる。
うん。
すっきりしたわ。