近づけば近づくほど、サッカー部は目を引いた。
やっぱ高校生より身体が作られている。
一回り大きくて、締まってる。
さすがやな。
そんなことを思っていると、不意に思いっきり視線を感じる。
「響くん?」
それはサッカー部の脇に立つ、ジャージ姿の女の子やった。
なかなかかわいい感じの、スレンダーな女や。
「え、T工業の?」
オレのこと知ってんねや。
オレはちょっとだけびっくりしながらうなずく。
「今はそこのF校ですけどね」
「そうだ、インハイ惜しかったね」
「決勝にもいけないんじゃまだまだです」
珍しく謙虚なオレ。
それはなぜか。
たぶん、けっこうタイプだったから、かな。
「どうしたの?
今日は見学?」
「いえ、用事があって」
「用事?」
「オレ、今田夏日さんの後輩なんで」