「お前、昨日の今日で…」
教壇の上でカツリョウはあきれてる。
いつものイケメンが崩れてる。
それがおかしくて笑いながらオレは答える。
「青春はあっという間に過ぎていくねんで?
時間を大切にせなあかん。
昨日の今日の何があかんねん。
ええやろ。
ちゃんとケリはついてんねん。
オレは梨音が好きやねん。
それに気づいておきながら、放置してどないすんねん。
うっかり誰かに持っていかれたらあほやんか。
そんな目にあうくらいやったら、なんて言われようと平気や」
「一理あるような、ないような、って今田はそれでいいのか?」
というカツリョウの問いに視線がいっせいに動く。
リョウはびくりと身体を揺らし視線を受け止めるので精一杯みたいやった。
なんやらおかしい風景やったけど、このまま放っておくのもかわいそうで。
「答えはもう出てんねん」
オレはやや大きな声で言う。
「ええねん。
梨音の答えももろてんねん。
だから。
邪魔すんなや」
気持ちええな。
言い切るっていうのは。
気持ちええもんや。